(佐藤康行著書「真我・第34巻」より引用)
私たちの心というのは、実にいろんな形となって現れるものなのです。
もしも、人を憎んだり恨んだりといった不調和な心を抱いていると、それが病気となって現れることもしばしばあるのです。
中島祐子さん(仮名・37歳)は、ご主人の兄嫁にずっといじめられてきました。
ご主人の両親は義兄家族と同居しているため、実家に行けば義姉と顔を合わせない訳にはいきませんでした。そのため彼女は、ご主人の実家に行くのがとても苦痛だったのです。義姉は、家族の前では何もいわないのですが、二人きりになると悪態をついてきました。
「財産狙って来たんだろう、泥棒猫め!」「あんたの洗った茶碗は汚い。触らないで」などと、さんざんひどいことをいうのです。何かいい返せば、今度は子どもが叩かれたりしたために、彼女はただ我慢するしかありませんでした。
中島さんは、このストレスによって、ついに三年ほど前から喘息の発作を起こすようになってしまいました。
しかし、そんな彼女も、講座を受講し、真我を自覚することによって、その苦しみから解放され、大変穏やかな気持ちになっていきました。
「何があっても、不思議なくらい心に波が立たないようになりました。憎くて憎くて仕方なかった義姉のことも、『なんて、かわいそうな人なんだろう。きっと、義理の両親との同居でいろいろ大変なんだろう。夫婦間もうまくいっていないようだから、そのことでも悩んでいるのだろう』と思うようになりました。
そして、『もう何をいわれてもいいや』と思うようになったら、逆にそれ以来何もいわなくなったんです」
そしてその後、彼女の喘息はすっかり治ってしまいました。
「総てがうまくいきだしました。とにかく、もうこれからは悪いことは起こらないって思えるんです。今までイヤでイヤでたまらなかった自分のことも、かわいくてかわいくて仕方なくなりました。今の自分なら、この先何があっても乗り切れると思います。本当に良かったです」
中島さんの例のように、心に不調和が起きると、喘息になる方が多いのです。ちょうど喉に何かが詰まっていると、吐き出そうとするのと同じように、何か心の中に引っ掛かっているものを吐き出そうとしているのが、喘息として現れたといえるのです。
ですから、心に不調和があるうちには、喘息はなかなか消えません。私たちの心というものは、いろんな形となって現れてくるのです。
私たちの体には、悪いものを出そうという働きがあります。下痢は毒素を早く流して出そうという働きです。吐き気も、悪いものを早く出そうという働きです。また涙は、憎しみの涙が出る代わりに、もっと奥にある愛の涙も感謝の涙も出てくるのです。とにかく、出るものは総て良いと思ったらいいのです。
しかし、喘息は不調和の心ですから、いくら吐き出していても、不調和の心が直らない限り、喘息は消えることはないでしょう。その不調和の心を消す方法は、人を愛する心や、感謝の心が自然と出てくるようになることです。
調和の心と不調和の心は同居できません。光と闇とが同居できないように、愛の心になることによって、憎しみや恨みの不調和の心は消えていくでしょう。そのことによって、喘息で悪いものを出そうという気持ちがなくなります。
そうすると、喘息は治るのです。このように、私たちは調和の心になれば、体調の不良も病気も自然と治っていくのです。
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