佐藤康行『天運を拓く 実践法』より引用
(M.Fさん 31歳 千葉県 建設会社勤務)
Fさんは、上司の勧めで真我開発講座を受けにきました。受講中、彼の心の奥から、思いもよらなかったお父さんへの思いが湧き上がってきました。
「父は会社を経営していたんですが、不景気で売却せざるをえなくなってしまったんです。僕はいずれは父の会社を継げばいいという甘い考えを持っていましたから、会社を売却した父を知らない間に恨んでいたんです。その後しばらくして父は脳梗塞にかかり、左半身が不自由になってしまったのですが、それは実は僕が父を恨んでいたせいだということに気がついたんです。今まで苦しめて本当に申し訳なかった、という気持ちが湧いてきました」
受講後、そのお父さんとの関係が変わってきました。
「父とは今まで上っつらな話しかしてなかったように思います。それが、本当に心から話ができるようになりました。父の話を“聞いている”という実感が出てきました。母と電話で話している時も、電話の向こうで父が『あいつ、今度いつ来るんだ?』って心待ちにしているのが聞こえるんです」
さらに、仕事振りも明らかに変わってきました。
「現場の仕事が多いんですけど、前は避けていた雑務とかゴミ掃除なんかも自分からどんどん進んでやるようになりました。『遅くまでがんばるね』とか褒められるんですけど、自分では楽しいから一生懸命やっているだけなんですよ」
親の会社を引き継ぐ二代目は、偉大な面を引き継ぐと苦しみ、ダメな面を引き継ぐと恨むことになります。自分が完全に自立して、自分らしい生き方で、自分の能力を最大に引き出すことができれば、仮に会社を引き継ぐにしてもスムーズにいくのです。
Fさんは、真我を開くことで、自己の無限の力を自覚し、自立心に目覚め、将来親の後を継いでも継がなくても、素晴らしい未来を迎えることができるでしょう。
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