(佐藤康行書籍「生命の覚醒(いのちのめざめ)より引用)
私たちにとって大切なことは、心の眼を開くということです。
私たちは、この肉眼というのは、本当にこの肉眼で見えるものしか判断できません。自分の肉眼で見えないものには全くお手上げなのです。ですから、人の言葉に振り回されたり、人のちょっとした動作で落ち込んだり、また元気になったりしてしまいます。
しかし、心の眼を開いて、心から物事を見えるようになった時に、この肉眼より大きな世界を観ることができるのです。そして、いろいろな人の思いがわかり、その思いを受け止めることができるのです。
しかし、心の眼を開くよりも、もっと大切なことがあるのです。それは、心の奥にある真我、愛の眼を開いていくことなのです。
三島浩子さん(仮名・55歳)は、娘の結婚ということから、ずっと目を背けていました。三島さん夫妻には、子どもが娘一人しかいなかったからです。
「娘が結婚して家を出て行ってしまったら、家は途絶えてしまいます。そうしたら、大勢の仏さまのいる家のお墓を、誰が守っていくのか心配なんです」
娘さんは、その時、勤め先で知り合った男性と二年半、交際していて、結婚を望んでいました。しかし、三島さんは、娘の交際相手が長男だったので、娘が「彼と結婚したい」といっても、ちゃんと話を聞こうとはしませんでした。
ところが、そんな彼女も、真我に目覚めることによって、すっかりとモノの見方が変わってしまいました。今までは、自分はこうしなければいけないという固い殻の中にいたのですが、もっと自然でいいことがわかり、とても楽になることができたのです。
それからしばらくして、娘さんが妊娠しました。以前の三島さんだったら、娘さんのことを責めていたことでしょう。しかし、その時彼女は、「総ては自然に任せた時に一番うまくいくはずだ」と思えたのでした。そればかりか、自分になかなか赤ちゃんができなかったということもあって、娘に赤ちゃんができたことを心から嬉しく思うことができました。
そして、今まで知ろうともしなかった娘の彼氏のことや、彼の家族のことを知り始め、相手の家族をみんな受け入れることができたのでした。
以前、心配していたお墓のことも、娘が幸せになる方がご先祖さまも喜んでくださるだろう、という思いに変わりました。
「今までの私は、いつもクヨクヨして心配ごとを探したんです。でも今は何でも、〝きっとうまくいく〟と思えるんです。天と地ほど違う感覚ですね!」
三島さんは、愛の眼を開いていくことによって、自分はいかに恵まれているのか、いかに愛されていたのか、ご先祖さまを始め、あらゆる人たちの愛の恩恵を受けていたかということが、愛の眼を開いた時にわかったのです。その愛の眼を開いた時から、彼女の人生はまるで生まれ変わったかのように一変したのです。
私たちの心の一番奥にある世界こそ、真我なのです。そして、その真我は愛そのものです。その愛の眼で見られるようになることが、私たちの人生を最も快適にしていく生き方なのです。
私たちが心の眼を開いていないと、どうしても形にこだわってしまいますから、家を守るとか、後を継ぐという発想になってしまうのです。自分の血を受け継いだ娘が産んだ子なのです。名前などにこだわる必要はないのです。魂がもう受け継がれているのです。自分の血を継いだ子がいるということは、それは家を受け継いだということと同じなのです。
家というのは木材で建てた家のことをいうのではありません。私たちの魂が家なのです。この魂の家を受け継いだ、ということなのです。
きっと、自分自身の心が魂の次元で気がついた瞬間に、子どもができたのです。まさに、神さまが、魂の跡継ぎをプレゼントしてくれたということなのです。彼女が目覚めたことによって、神のプレゼントが届いたということなのです。
お墓にしても、普通通り繋がっていくのがいいのでしょうが、女性は結婚してご主人と同じお墓に入るものです。嫁いだ家の人間になります。そういうことにこだわる人もまだいるかもしれませんが、名前とか家とか、そういうものだけにこだわっていたら、いつまでたっても、人と本当に一体になることは難しいと思います。
人類はみんな一つだという捉え方をした時に、どこの家に入るとか、どこの墓に入るということは大切な問題ではなくなってしまいます。それよりも、他人であったご主人や奥さんをそれだけ愛せるようになったということこそが、素晴しいことだと思います。
自分の親
戚縁者、先祖代々だけを愛するという考えではなく、先祖からの血筋を越えた世界がまさに神の愛といえるのです。その時、お墓の問題もそして先祖の問題も自動的に解決していくと思います。
(佐藤康行書籍「生命の覚醒(いのちのめざめ)より引用)
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